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顧客親密度とイノベーション

顧客との親密度の向上が革新につながる理由とは?

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もし企業が顧客との親密さを通じて差別化を図りたいならば
私たちはエクスペリエンスをイノベーションの中核に据えます

 

現在の市場経済は、お客様との親密さの上に成り立っています。自社の製品を使って暮らし働く人々のニーズと意欲にしっかり寄り添う企業は、革新的であるのみならず、市場に非常に強い影響を与える傾向にあります。では、お客様に関するインサイトを競争上の優位性に変えるには、どうすればよいのでしょうか? 優れた企業の事例とともにご紹介します。

大型ハリケーン「イルマ」がフロリダに接近しつつあった当時、テスラ社は自社の持つ顧客知識を活用して、世界屈指の革新的モビリティ・ソリューション・プロバイダーとしての真価を発揮しました。ハリケーン直撃前に人々が安全な場所まで車で避難する必要があると判断した同社は、フロリダ域内にある自社製品の「モデルS」と「モデルX」を遠隔アップグレードしてバッテリー性能の制限を解除し、充電なしで長距離を走行できるようにしたのです(1)。 

お客様が今どこにいるのかを正確に把握し、彼らが置かれている状況に共感することで、テスラ社は既存の技術を駆使してお客様の期待をはるかに上回るサービスを提供することができました。

お客様との距離を縮めることで、建築・建設業界でもイノベーションが生まれています。これまでステークホルダー間の透明性の低さがしばしば問題となっていたこの業界ですが、3Dエクスペリエンス®・プラットフォームなどのソリューションによって、アイデア形成や設計工程のあらゆる段階に施主を巻き込むことが可能になりました。 

たとえば、建設・製造テクノロジー企業のCADメーカーズ・インク社は、建築・建設業界のお客様と連携して、建設プロジェクトを3Dでバーチャルに構築。構築にあたっては、建築士から電気工事請負業者まで、あらゆるチーム・メンバーからの情報を取り入れています。これにより同社はステークホルダー間の連携を改善し、現場での施工性問題を回避するだけでなく、複数の建物システムの建設を管理して建設現場を最適化することと、仮想モデルによる完成予想図を提示することも可能にしました。施主は自らの発注した建物で人々がいかに暮らし働くことになるか、全体像をイメージできます。 

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)技術によって、建築士やエンジニアは、自分たちの創造する物理空間がそこに暮らす人々の感情面にどう影響を与えるのかを、より詳しく把握できるようになりました。人々がどこを見て、どう動き、立ち止まり、肌に落ちる日差しを感じるのか。エンネアド・アーキテクツ社の応用コンピューティング・ディレクターであるブライアン・ホプキンズ氏は、メトロポリス誌の最近の記事で、このトレンドを次のように説明しています。「定量的なものが定性的なものに変わり(中略)データに人間味が加わりました」(2)

しかし、フォレスター社の顧客志向成熟度指標調査結果(下記参照)を見ると、すべての企業が顧客親密性の重要性を認識するまでには、まだ時間がかかりそうです。親密さは革新的思考によって深まるものであり、そしてまた将来にわたり革新的思考の原動力となっていくものです。

こうした変化のペースの緩やかさが、多くの破壊的な企業が新たな市場に参入し、現状に甘んじて動こうとしない企業から顧客をさらうことを可能にしています。その顕著な例が医療業界です。この業界では今、スポーツウェア・メーカーがウェアラブル技術を生み出し、ユーザーに非常に密接したデータを収集しています。そしてユーザー側は、こうしたデータが自分の理想のライフスタイルの獲得や維持をサポートしてくれることを期待しているのです。

VITAEプロジェクトでは、3年にわたってエンジニアや宇宙物理学者といった方々と密接に連携しました。それは、人生を結びつけること。創造し、革新をもたらし、障壁を打ち破ることなのです

アニロア・バロン氏
芸術家(VITAE月面彫刻プロジェクト)

これまでに例のない多彩な専門家グループから情報を集約し分析することで、芸術分野の壁を打ち破ることを可能にした芸術家もいます。VITAEプロジェクトを手がける、芸術家のアニロア・バロン氏です。世界中の100万人の手形をあしらった彫刻を月に設置するという壮大な計画を叶えるため、宇宙物理学者、エンジニア、3Dプリント技術者といった専門家が集まり、3DEXPERIENCE・プラットフォーム上で連携しています。  

科学的ソリューションの芸術的挑戦への適用でも、建築士やエンジニアと彼らが作成する建物や機械との密接な関わり構築でも、今新たな競争の舞台となっているのが顧客親密度です。そして、この分野で勝利するということは、エクスペリエンスをイノベーションの中核に据えることに他なりません。

(1)ワシントンポストの記事をすべて読む
(2)
メトロポリタンマガジンの記事をすべて読む
写真提供アニロア・バロン氏: ジェフ・マンゼッティ氏

顧客志向成熟度マトリクスインデックスでは、ほとんどの企業が低スコアです。

顧客志向成熟度マトリクスでは、ほとんどの企業が低スコア

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